2017年12月13日 新庄市立新庄小学校 4年生
紙芝居「まつりのひ」授業レポート
山形県 新庄市立新庄小学校
東北に例年より、早く雪が積もり始めた12月。山形県新庄市立新庄小学校。
新庄市には、平成28年12月にユネスコ無形遺産文化財への登録が決定した「新庄まつり」があります。そして、今回授業で活用した紙芝居は、運動本部オリジナル作品の「まつりのひ」。日頃からお祭りを身近に感じている子どもたちが、読み終わった後、どのような気持ちを語ってくれるのか、とても楽しみでした。
講師は元小学校長の馬場喜久雄(ばば・きくお)先生。新庄小学校では、4年生の2クラス合同で授業を行いました。
【授業の様子】
まずは、住んでいる街のいいところを聞きました。すると、子どもたちからは
- 「新庄まつり」がある。
- おまんじゅうがおいしい!
- 犯罪が少ない。
といった答えが返ってきました。
馬場先生の「さっき、新庄まつりの話が出たよね。今日は、『まつりのひ』という紙芝居を読みます」という言葉をきっかけに、紙芝居「まつりのひ」の朗読が始まります。今回は、担任の先生にもご協力いただき、3名で作品を読みました。
子どもたちはいつもとは違う担任の先生たちの姿を見つめながら、目の前の舞台に集中して作品を聞いています。
作品が読み終わると、次の場面について、コタローはどんな気持ちだったか聞いてみます。
①キュウスケに村を案内している場面
- つなみのことを話してあげよう。
- ここはつなみがあったけど、いい村だと教えたい。
- どうしてつなみが起きたのかな。
- つなみがなかったらなあ。
②くまのおじさんにまつりの出し物について聞かれた場面
- 村の人が待っている(楽しみにしている)から盛り上げたい。
- 海が怖いポンタが出てくれるか心配。
- キュウスケがポンタの代わりに出てくれないかな。
③村人たちが出し物を練習している場面
- 僕たちもがんばらないといけないな。
- ポンタも練習しているかもしれない。
- おまつりを盛り上げよう。
④まつりの出し物が成功した場面
- ポンタが一緒にできてよかった!!
- キュウスケも一緒だったから盛り上がった。
この4つの場面を通じて、子どもたちは、「コタローたちは村のみんなのためにがんばった」
「3人一緒だからくじけないでできた」ということを感じたようです。
最後に、コタローたちのように住んでいる街のために、何かやっていることがないか、聞いてみます。
◎住んでいる街のためにやっていること
- 町内のごみ拾いをしている。ごみの分別をしっかりする。
- 共同募金をしている。
- 新庄まつりの山車のペンキ塗りをしている。
- 新庄まつりの時に、街のいいところを書いた新聞を作った。
さすが、「新庄まつり」の街。子どもたちからは、まつりに関するエピソードがたくさん出てきます。本当に、まつりが大好きで大切なんだという気持ちが伝わってきました。
【気持ちを引出すきっかけは、学校やクラスでさまざま】
実は今回、授業中になかなか意見が出ないことがありました。そのとき、馬場先生が、子どもたちが隣の友達と話したそうにしている様子に気づきました。
「隣のお友だちと話していいよ」と声をかけ、少しの間、子どもたちは友だちと話します。話が終わった後、改めて「どう思う?」と尋ねると、なんと次々と手が上がります。こどもたちは、言いたいことがなかったわけではないようです。
授業後、校長先生にお話を聞くと、新庄小は授業にグループワークを積極的に取り入れているそう。ふだんから、友だちと意見交換することに慣れているので、そうすることで自分の意見を表現しやすくなったのでしょう。
子どもたちの素直な意見をどう引き出すか、その引き出し方は、いろいろあるようですね。
実施概要
主催:公益社団法人「小さな親切」運動本部
補助団体:公益財団法人 JKA
講師:馬場喜久雄(全国小学校道徳研究会 顧問)
参加協力:新庄市立新庄小学校
日時:平成29年12月13日(水)