2017年12月14日 寒河江市立南部小学校 4年生
紙芝居「まつりのひ」授業レポート
山形県 寒河江市立南部小学校
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馬場先生と担任の先生で紙芝居を朗読
今年、山形県では2か所の小学校で授業を行いました。その一つが、寒河江市立南部小学校です。南部小学校では、4年生の2クラス合同で授業を実施。使った紙芝居は、運動本部オリジナル作品の「まつりのひ」です。
この日は、4年生以外を担当している先生方や、寒河江市教育委員会の方も授業を見学。子どもたちは、いつもと違う雰囲気に少しドキドキしているようでした。
講師は元小学校長の馬場喜久雄(ばば・きくお)先生です。担任の先生方も一緒に紙芝居を読んでいただいた今回の授業。その様子をご紹介します。
【授業の様子】
まず、子どもたちに、住んでいる街のいいところを聞きました。すると、
- さくらんぼがおいしい!
- みんながあいさつしてくれる。
- いつも笑顔がたくさん。
- 生き物が暮らしやすい。
といった答えが返ってきました。なんだか心がほかほかする答えばかり。
そこで、馬場先生は「ここはとてもいい街のようだね。じゃあ、紙芝居の舞台になっている、どうぶつ村はどんなところなんだろう。早速読んでみよう」と紙芝居の朗読を始めます。
たくさんの見学者に囲まれて、少し緊張していた子どもたちも、いつしかそんなことを忘れ、紙芝居をじーっと見つめて真剣に物語を聞いています。
①キュウスケに村を案内している場面

- この村を気に入ってくれるかな。
- キュウスケが迷子にならないように案内しよう。
- つなみのことを知って、怖がらないかな。
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- キュウスケに村のいいところを見せたいから、まつりに出たい。
- やればできるからがんばろう。
- 海が苦手なポンタのことを考えたらやろうかどうしようか迷う。
- キュウスケはまだできないし、ポンタはこわがっているから出るのはやめよう。
③村人たちが出し物を練習している場面
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- やっぱり僕たちも出てみたい。
- みんなががんばっているから自分たちも…
- やってみればできるかもしれない。
④まつりの出し物が成功した場面
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- みんなで出し物ができてよかった!!
- 一緒にできてうれしい。
- やりきった達成感がある。
子どもたちは、「コタローたちは村が大好き」「村のために何かをやることが大切」「みんなが楽しいと自分もうれしい」ということを感じてくれたようでした。
そして最後に、コタローたちのように住んでいる街のために、何かやっていることがないか、聞いてみます。
◎住んでいる街のためにやっていること
- 自分からあいさつや会釈をする。
- ごみをなるべく出さないようにしている。
- リサイクルR運動をしている。
- 水を大切にしている。
南部小の子どもたちが、ふだんから、人や環境を想って過ごしている様子が伝わってきて、見学していた先生方からも、思わず笑みがこぼれていました。
【カラーカードを使う授業は変わります】
馬場先生は、子どもたちの意見を引出すために、ちょっとした小道具を用意しました。4色の色画用紙を小さく切った、通称「カラーカード」です。
今回の授業では、②くまのおじさんにまつりの出し物について聞かれた場面で使いました。
自分はどんな風に思っているのか、配られたカラーカードを上げて表現するのです。
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例えば…
- まつりに出よう(黄)
- どうしよう(ピンク)
- 出るのはやめよう(青)
- そのほか(赤)
ふだんは発言が苦手な子どもも、色紙を上げるだけなら緊張することなくできますね。
また、あいまいな気持ちを表現できるのもいいところ。本当は、「まつりに出ようと思うけど、やっぱりどうしようと思う気持ちもある」という場合には、黄色とピンクのカラーカードを重ねて(スライドさせて)2枚で表現すればよいのです。
そして次は、上げてもらった色ごとに、詳しくどういう気持ちか聞いていきます。そうすると、子どもたちも整理ができるのか、様々な意見が出てきました。
今回授業を見学した先生方はその後、「事後研究会」を実施しました。そこでも、このカラーカードの活用は、子どもたちも教員側も分かりやすくてよい、と好評でした。
身近にある物ですぐにできる小道具。このレポートをご覧になっている先生方も、ぜひ授業で活用してみてはいかがでしょうか。
実施概要
主催:公益社団法人「小さな親切」運動本部
補助団体:公益財団法人 JKA
講師:馬場喜久雄(全国小学校道徳研究会 顧問)
参加協力:寒河江市立南部小学校
日時:平成29年12月14日(木)